ヨガ、三つのグナと現代科学

マインドフルネス(瞑想)

真我の癒し会窓口および記事投稿担当のチベスナです。
妙に悟った目をしているで有名なチベットスナギツネ。実際にチベットは「悟り」と密接な関係があります。ヨガ教室やイベント、タイ古式マッサージ練習サークル、出張マッサージのお問い合わせは私にお願いします。

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本記事ではヨガを学ぶ人達の中で注目されているポリヴェーガル理論をご紹介いたします。

ポリヴェーガル理論とは

ポリヴェーガル理論は、社会的な行動と自律神経の進化とを結びつけた画期的理論です。

従来の自律神経は交感神経と副交感神経の両方が支配し、リラックス状態のときは副交感神経が働き、活動したりストレスがかかったりすると交感神経が働くというように、通常は拮抗した作用を示すと考えられてきました。
・交感神経系=「闘争か逃走か」活性化する働きをしており、日中が優勢になっています。
・副交感神経系=「休息と消化」健康、成長、回復をサポートしており、睡眠時に優勢になっています。



ポリヴェーガル理論では、生物の進化や神経の発生の観点から副交感神経がさらに「背側迷走神経複合体」と「腹側迷走神経複合体」とから成り立っていると考えます。
三つの自律神経を説明します。

交感神経

ストレスや脅威が高まると、自律神経系は身体を”戦うか逃げるか”の状態に切り替え、心拍数を増やし、筋肉への血流を高め、アドレナリンのレベルを上げるなど、緊急時の反応を引き起こします。これは交感神経系の活性化によるものです。

背側迷走神経(副交感神経)

脅威があまりにも大きくて逃げるか戦うことが不可能であると判断された場合、身体は「フリーズ」または「シャットダウン」状態に入ります。これは背側迷走神経系が主導する反応で、身体と心が極度のストレスから自己を保護するための最後の防衛ラインとなります。

腹側迷走神経(副交感神経)

腹側迷走神経系は社会的な相互作用を通じて安全感を創出し、私たちが共同体の中で適応し、安心感を得ることを助けます。これは、個体が社会的な環境に適応し、共同体の一員として生き抜く能力を反映しています。

ポリヴェーガル理論に基づけば、腹側迷走神経が適切に機能している時、私たちは身体的な安定感を体験します。この状態は、呼吸のリズムが穏やかで、血圧が安定し、筋肉の緊張も適度であることを意味します。具体的には、呼吸は一定のリズムを保ち、その流れは滑らかで自然です。これは「ゆらぎの呼吸」とも表現され、呼吸が自然に変化する範囲内で行われることを示します。

三つのグナとは

ヨガ哲学では、この世界の全ては3つのグナ(性質)が原理となって作られたと説かれています。

この3つのグナとは
・サットバ(純質)
汚れないもの、軽い、照らし輝く、調和、軽い、幸福、知識
・ラジャス(激質)
激しい動き、激情、渇愛、執着、行為、躁状態、貪欲
タマス(鈍質)
濁っている、思い込み、怠慢、怠惰、睡眠、怠慢、迷想、無活動

を指します。

ヨガ業界ではサットバ(純質)が強ければよいという人もいますが、あくまで三つのバランスが重要です。どれかが足りなくても強すぎてもいけません。

3つのグナとポリヴェーガル理論の関係性

二つを説明した際に関係性を気づいた方も多くいらっしゃると思います。

・タマス=低度の覚醒(背側迷走神経)
タマスとは不活発な心的状態。恐れや抑うつ、不動性を特徴とします。

・ラジャス=闘争か逃走(交感神経)
興奮した心的状態。怒り、不安、活発性、創造性を特徴とします。

・サットヴァ=最適な覚醒(腹側迷走神経)
静かな心的状態、満足感、つながり、明晰さを特徴とします。


また三つのグナはヨガでいう三つの主要なナーディ(気道・管)とも関係します。

ナーディとは


ナーディという言葉は、
サンスクリット語のナート=流れ(エネルギーの流れ)
からきています。

主要なナディは以下の3つ(ナーディは72000もあると
言われています)

・イダ(左気道)
受動的、女性的、ネガティブ、陰のエネルギー、暗い、冷たい、月、散乱、バラバラ、遠心性、リラックス、無意識、直感的、感情的
・ピンガラ(右気道)
動的、活動的、男性的、ポジティブ、陽のエネルギー、光、熱、太陽、蓄積、創造的、組織化、求心性、理性、識別的、論理的
・スシュムナ(中央気道)
「大きな喜びの泉」と表現されています。スシュムナとは、プラナの流れが静穏でバランスが取れている状態、また自律神経系が調和している状態を指します。一言で言えば、瞑想状態です。

イダとピンガラは陰陽(二極)とも深くかかわっています。
陽と陰、ポジティブ思考とネガティブ思考、男と女、左脳と右脳、交感神経と副交感神経、肉体と精神、意識と無意識、生と死、、、など、色々ありますね。

ヨギーにとって身近な「ハタヨガ」 という言葉も、サンスクリット語で「ha」は太陽、「ta」は月、という意味で、この二元性を表しています。

このようなものの二極間のバランスが悪い、つまりどちらかに極端に偏りすぎていると、調子が悪くなったり、心身における様々な病気を引き起こすのです。

まとめ

ナーディと三つのグナ、ポリヴェーガル理論を表にまとめるとこのようになります。

ナーディグナ呼吸心拍数筋肉脳波
交感神経ピンガラ
(右気道)
ラジャス
(激質)
右鼻増える収縮ベータ波
(覚醒状態)
背側迷走神経
(副交感神経)
イダ
(左気道)
タマス
(鈍質)
左鼻減る伸展デルタ波
(睡眠状態)
腹側迷走神経
(副交感神経)
スシュムナー
(中央気道)
サットヴァ
(善質)
シータ波・アルファ波
(半醒半睡)

お釈迦様は右にも左にも偏ってはいけないと説きました。
それぞれのバランスが重要だということですね。

ヨガではバランスを整える行法がありますので是非ほかの記事も参照ください。




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