仏教・インド思想における内観
現代中国語の「内観」は仏教における「観想」を指します。
パーリ語では「ヴィパッサナー」サンスクリット語ではヴィパシャナー、漢訳音写の毘鉢舎那のことです。
瞑想では止観業(行為・カルマ)のサマタ瞑想(止業)とヴィパッサナー瞑想(観業)に分けられます。
・サマタ瞑想(止業)はディヤーナ(禅那)と呼ばれる仏教以前でもインドで広く行われていた瞑想法です。
・ヴィパッサナー瞑想(観業)はディヤーナ(禅那)の瞑想で変化する自己意識の内面を観察(内観)する瞑想法で、お釈迦様が新しく悟りを開くために開拓した仏教独自の方法です。
つまり内観とはヴィパッサナー瞑想(観業)を指すことになりす。
仏教の瞑想は非常に高度で初心者が良き指導者についていない状態で行ってしまうと逆効果になる場合がございます。
今回紹介する「内観療法」は内観療法は浄土真宗の一派に伝わる求道法の「身調べ」という修養法を吉本が自己の体験に基づいて改良した心理療法です。
あくまで心理療法であることを重視しているため、元々ある宗教色を排除し、30年にわたる試行錯誤の末に、高い有効性を求めて確立されました。そういった意味では、内観療法はマインドフルネス療法とも類似点があります。
内観療法のやり方
自分がこれまでの生涯で、両親・親族・友人知人に、
① 他人から、していただいたこと
② 他人に、して返したこと
③ 他人に、迷惑をかけたこと
を1つ1つ思い出していくという作業のみを、丸1日~1週間ほど集中して行なうというものです。 なお、親がいない人は、親代わりに育てくれた人を親と見て行います。
内観療法の奏効機序は「反省⇒懺悔⇒感謝⇒報恩」という内的変化にあります。
過去の人生の深い内省により、従来の罪深く自己中心性の高い自分が他者の愛で生かされてきたという安心感を得ることで、自己中心性からの脱却を促し、肯定的な自他認知へと7日間で変化が起きるわけです。
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