仏教から見るメタ認知

仏教

真我の癒し会窓口および記事投稿担当のチベスナです。
妙に悟った目をしているで有名なチベットスナギツネ。実際にチベットは「悟り」と密接な関係があります。ヨガ教室やイベント、タイ古式マッサージ練習サークル、出張マッサージのお問い合わせは私にお願いします。

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メタ認知とは

アメリカの心理学者ジョン・H・フラベル氏が定義した心理学用語です。
メタ認知とは「自分の認知活動を客観的にとらえる、つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断するなど)を認知すること」です。

メタ認知の定義は、「認知していることを認知すること」です。つまり、人が認知するに至ったきっかけから結果に至るまでのすべてのことを、自分自身で把握する、ということです。

自分が能動的に行っている言動について、もう一人の自分が客観的な立場から、その言動を調整したり調和したりする能力をもって、「メタ認知」と定義しているのです。

メタ認知という概念の起源

メタ認知の概念の起源をさかのぼると、古代ギリシャの哲学者ソクラテスにたどり着きます。あの有名な「無知の知」という考え方です。「彼らは何も知らないのに知っていると思い込んでいるが、私は何も知らないということを知っている。」

これは、自分が認知している内容を認知している、つまり、メタ認知ができているからこそ言える言葉でしょう。

マインドフルネスとメタ認知

マインドフルネスでは自分自身を客観的に眺め受け入れる実践を繰り返していくことでこのメタ認知の力を育て上げることができます。

今自分にどのような感情が湧きおこっているのかに早く気づくことで冷静な自分をいち早く取り戻すことが出来るのです。それは、自分の間合い、スペースを作り直すと言い換えてもいいでしょう。
自分の間合いで何かをするほうが私たちは成功しやすいですし、余裕ある行動をとりやすくもなります。

マインドフルネスを続けることで怒りの源である脳の中の扁桃体という場所が小さくなるというデータもでています。扁桃体は怒りや、不安など感情がわきおこる時に活性化すると言われています。また、心配や反芻を続けている人はこの部分が過剰に反応するとも考えられています。
マインドフルネスを継続することで、扁桃体を抑制的にすることができます。つまり感情のコントロールが上手になっていくということです。

さらに、マインドフルネス瞑想を続けていくと自分自身の感情や思考に気づきやすくなります。気づくことが出来れば、自分自身を客観的に眺める力をつけていくことができます。
そしてメタ認知力が自分自身の仕事や生活の中で冷静さを保ち落ち着いたパフォーマンスを維持することに役立ちます。

仏教とメタ認知

メタ認知をほかの言葉で表すと自己観察とも言えます。
そもそも「観察」という言葉自体が、仏教用語です。
禅もヨガも瞑想も、すべては仏教をルーツにしたものであり、メタ認知もまた仏教が先駆けていました。

仏教では悟りを妨げるものは執着であるとされています。そして執着が起こる源を「二障(にしょう)」と言います。
これは
〇「煩悩障(ぼんのうしょう)」:苦悩や迷いによる妨げ。「我」が常に変化していること[諸法無我]を認知できないことにより起こる。
〇「所知障(しょちしょう)」:知識による妨げ。「物事や他者との関係性」が常に変化していること[諸行無常]を認知できないことにより起こる。
の二つです。

 「二障」を解消するには、私がとらわれている全ての執着を、善悪などの判断なく総体的な「私」として認知していくこと。その結果として「諸法無我」「諸行無常」の境地が育ち、結果として執着から離れていきます。


要約すると、
世の中の苦しみの原因は
●自分自身
●自分と他者との関係性
という「二障」に集約されます。
それを自分で自分を俯瞰的に見ることのできる
メタ認知能力が試されているということです。



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