無我とは
無我とは「我」が「無い」と書きますが、わかりやすく説明すると「我」「我のもの」には「実体が無い」という思想です。
これらは縁起の法と関わっており、万物は相互依存であることから「縁によって起こる」「縁によって生じる」。
縁というのは様々な条件のことであり、様々な条件が折り重なった集積として起きる。集積であってそれそのものには固定的な実体は無いというのは無我の本質です。
あらゆる縁から「我(私)」というのが生じているので、実際私は世界全体とつながっており、世界全体が私であるということも言えます。
「全は一」「一は全」
「all for one」「One for all」
無我であること、すべてが繋がっていることを主観的にとらえた状態を「真我」と呼びます。
脳科学と認知科学
脳科学者・認知科学者は、意識とは単なる傍観者であり無意識の脳活動が心や体を動かしていると判断しています。
心が自分自身ではないということですね。
ヨガでも真我は映画を見ている観客のようなものと、よく表現されています。
分子生物学
哲学者のヘラクレイトス「万物は流転する」と説きました。
この世に存在するあらゆるものは、常に移り変わっていくということ。
「無常」と同じ考え方ですね。
分子生物学では、自分だけの体を構成する分子は存在しないとされています。
生物の肉体は外界の分子と絶えず交換、循環させている。
ヘラクレイトスの万物は流転すると同じですね。
つまりその条件下では、絶えず肉体の分子が交代されているのであれば過去と変わらない自分は存在しないという論理になります。
固定的な実体が無い「無我」の思想と同じですね。
脳神経学・方向定位連合野
方向定位連合野は右耳の上、少し後ろ側にある右の側頭葉と頭頂葉、後頭葉の境目のあたりにあります。
便宜的に自分と他者の境目をつくる作用があります。
“私は世界の中のここにある”と認識させる機能です。
仏教でいうところの五蘊無我の中の識蘊無我に関係します。
識別には実体が無い、つまり自と他を区別できないということです。
最新の脳科学で方向定位連合野という機能が自と他を区別していることがわかります。
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